小学生になっても読み聞かせが必要な理由
小学生になると、文字が読めるようになる反面、物語の“理解”や文章の“つながり”を自力でつかむのがまだ難しい時期でもあります。
読み聞かせでは、低学年でも高学年でも、自分で読むだけでは拾いきれない感情や場面の雰囲気を、大人が声に出して読むことで自然と受け取れるようになります。
読み聞かせは、耳から物語を聞くため集中しやすく、絵本のイラストと合わせて想像を広げる体験にもつながります。
また、読み手の声のテンポや抑揚を通して、文章の“リズム”をつかむ練習にもなるのが特徴なんですよ。
読み聞かせは、子どもたちが学校で学ぶ読書の基礎を支えるだけでなく、家庭で安心できる時間をつくる役割も果たします。
忙しい毎日の中でも短い時間ででき、親子の心を結ぶ大切な習慣になるのではないでしょうか。
文字は読めても“物語を理解する力”はまだ育つ途中
小学生になると文字を読む力は育っていきますが、物語の“展開”や“意図”を深く理解する力はまだ途中の段階。
文章を追うことに精いっぱいで、登場人物の気持ちや場面のつながりをつかみにくいこともあります。
そこで役立つのが読み聞かせで、声に出して読んでもらうと内容を理解しやすくなり、物語全体の流れが自然とつながります。
絵本や昔話など、絵と文章がリンクした作品は、理解を助ける“視覚の手がかり”にもなりますからね。
読み聞かせを通して、物語を立体的に感じられる力がゆっくり育っていくのです。
耳から聞くことで内容に集中しやすくなる
文字を読むのが得意な子でも、目で追いながら理解するにはエネルギーが必要です。
耳から聞く読み聞かせは、文字を読む負荷がなくなる分、内容に集中しやすいという強みがあります。
読み手となる大人の声には、自然な抑揚やテンポがあり、物語の雰囲気がそのまま子どもたちの心に届きます。
王様が怒る場面や動物が走り回る場面など、音の変化が“場面の切り替え”として伝わり、集中力が持続しやすくなるのです。
耳からの情報は記憶にも残りやすく、物語全体を把握する手助けにもなりますよ。
絵を見て想像を広げる経験が心の成長につながる
絵本の魅力は、イラストと文章が一体となって子どもたちの想像を刺激するところにあります。
表紙の雰囲気、ページの色づかい、動物やねこ、ライオンの表情など、視覚的な情報は物語の“入り口”を広げます。
子どもは絵を見ながら頭の中で世界を広げ、「この後どうなるのかな」と展開を予想し、物語に自分を重ねます。
こうした“想像の体験”は、心の柔軟さや感受性を育て、学校生活や友達とのコミュニケーションにも良い影響を与えます。
絵本は単なる読み物ではなく、子どもたちの内側にある感性を育てる重要な教材にもなるのです。
大人の読み方から音読の“リズムと抑揚”を学べる
大人が読み聞かせをすると、子どもたちは自然と“音読のモデル”に触れることになります。
声の強弱、間の取り方、セリフの読み分けなど、文章を音として楽しむリズムが体に染み込んでいきます。
学校の音読では味わいにくい“物語の立体感”が、読み聞かせではダイレクトに伝わるのです。
王様のセリフ、動物の声、驚きの場面、静かな場面など、音の演じ分けは子どもにとって大きな刺激になります。
こういった体験は、子どもの音読力や表現力を支える基礎になり、文章への興味も高めてくれるでしょう。
※合わせて読みたい「絵本の読み聞かせ いつから始める?」
読み聞かせが親子関係にもたらす変化
小学生になると、生活リズムが整う一方で親子でゆっくり話す時間が減ってしまうご家庭も多いようです。
読み聞かせは、そんな日常の“すき間”に温かい時間を取り戻してくれる習慣になります。
絵本という小さな世界を一緒にのぞき込む行為は、親子が同じ物語を共有するコミュニケーションの場です。
低学年でも高学年でも、昔話や大型絵本、ユーモアのある作品などを読みながら、自然と会話が生まれるのが読み聞かせの良さです。
お母さん、お父さんの声は、子どもたちにとって“安心の合図”のようなものではないでしょうか。
読み終わりのちょっとした対話が、子どもの様子や気持ちの理解にもつながり、家族の絆をより深めてくれるのです。

忙しさの中で減りがちな“親子の時間”を取り戻す
毎日の学校、宿題、習い事で、小学生の生活は結構忙しいですよね。
さらに親も仕事や家事で時間に追われ、ゆっくり腰掛けて子どもの話を聞くゆとりがなくなることもあります。
読み聞かせは、その流れを一度止めてくれる小さな“椅子”のような存在。
たとえ10分ほどの短い時間でも、物語を一緒に味わう行為は親子の心を落ち着かせます。
最初は照れていた男の子でも、気づけば読み手の声に耳を傾ける“聞き手”になっています。
この短い時間が、家族の中に安心のリズムを作り、明日の学校への元気にもつながるのではないでしょうか。
読み終わりの対話が、子どもの気持ちを知る窓になる
絵本を読み終えると、子どもは必ず何かしらの“反応”を示します。
大笑いしたり、怖がったり、展開に驚いたり、突然静かになったり。
この“変化”こそが、親が子どもの心に触れるチャンスです。
「ライオンが出たところどう思った?」と聞けば、その子の価値観や感じ方がわかります。
また、「王様ってなんであんなこと言ったのかな」と問いかけると、言葉や物語の理解だけでなく、感情の整理にもつながります。
テストのように正解を求める必要はなく、自然な会話として交わすことが大切ですよ。
テストのように問わず、自然な会話で心を開きやすくする
学校では“正しい答え”を求められることが多い子どもたちですが、読み聞かせの時間はその逆。
答えを判断される場ではなく、感じたことをそのまま言葉にしていい場です。
この安心感が、一人になりがちな高学年の子どもでも心を開きやすくします。
特に、言葉にしづらい気持ちも、物語をきっかけに話しやすくなります。
昔話や動物が登場する絵本は、想像しやすい“場面”が多く、子ども自身と重ね合わせやすいのが特徴です。
評価や採点とは無縁のゆるやかな会話だからこそ、親子のコミュニケーションが自然に育つのですね。
読み聞かせは親の愛情を子どもが実感するひととき
子どもたちは、大人が自分のために本を選び、声に出して読み、表紙を見せ、ページをめくるという行為そのものに“愛情”を感じます。
言葉では照れくさい想いでも、読み聞かせという形なら素直に受け取れるのです。
とくに一緒にひとつの作品を読む時間は、子どもにとって「自分は大切にされている」と実感するとき。
そうした小さな積み重ねが、家族の絆や安心の土台を作っていくのではないでしょうか。
小学生の読み聞かせにおすすめの絵本6冊(学年別・理由つき)
低学年(小1〜小2)におすすめの2冊
低学年は「読めるけれど、物語の流れをつかむのはこれから」という時期です。
耳から聞くことで内容に集中しやすく、リズムのよい文章や安心できる展開の本が向きます。
ここでは、短時間でも読みやすく、読み聞かせの“入り口”になりやすい2冊を選びます。
①『ぼちぼちいこか』(マイク・セイラー)
短い言葉と繰り返しの構成で、耳から聞いても理解しやすい作品です。
読み聞かせにすると、言葉のリズムや間の取り方が自然に伝わり、聞き手がリラックスしやすくなります。
忙しい日の寝る前や、少し疲れている日に選びやすい一冊で、親子の時間を穏やかに整えてくれます。
②『スイミー』(レオ・レオニ)
この絵本は、文章量がほどよく、小学生でも耳から内容を追いやすい構成になっています。
読み聞かせにすると、スイミーの気持ちの変化や場面の切り替わりが、声の抑揚によって伝わりやすくなります。
自分で読むと結末だけを追いがちですが、読み聞かせでは「仲間と生きる」というテーマを自然に受け取れる一冊です。
中学年(小3〜小4)におすすめの2冊
中学年は、物語を追えるようになりつつも、登場人物の気持ちや場面の変化を深くつかむのはまだ練習中です。
読み聞かせにすると、怖さやワクワクの強弱が声で伝わり、想像の世界に入りやすくなります。
ここでは、物語性がありつつ、親子で会話に広げやすい2冊を選びます。
③『エルマーのぼうけん』(ルース・スタイルス・ガネット)
章立ての物語ですが、一話ごとが短く、読み聞かせに向いています。
登場人物の会話が多いため、大人が声色を変えて読むことで物語が立体的に感じられます。
一人読みが始まった小学生でも、読み聞かせにすると集中が続きやすく、「物語を聞く楽しさ」を再確認できる作品です。
④『おしいれのぼうけん』(ふるたたるひ・たばたせいいち)
少し怖さのある展開が、小学生の想像力を強く刺激する絵本です。
読み聞かせでは、緊張する場面と安心する場面のコントラストが声によってはっきり伝わります。
自分で読むよりも、大人と一緒に聞くことで「怖さ」を安心に変えやすく、読み終わりの会話にもつなげやすい一冊です。
高学年(小5〜小6)におすすめの2冊
高学年になると一人読みは十分できますが、テーマが深い本ほど「読み終わった後にどう受け取ったか」を言葉にするのが難しいこともあります。
読み聞かせは、読む行為そのものより、同じ物語を共有して対話につなげる時間として価値が出ます。
ここでは、内容に奥行きがあり、親子で静かに気持ちを重ねやすい2冊を選びます。
⑤『ちいさいおうち』(バージニア・リー・バートン)
時間の流れや街の変化を描いた内容は、小学生には少し抽象的な部分もあります。
だからこそ、読み聞かせにすることで、大人の声が理解の手がかりになります。
「昔と今」「変わること・変わらないこと」を一緒に感じながら読むことで、物語の奥行きを味わえる絵本です。
⑥『かぜのでんわ』(いもとようこ)
感情を言葉にするのが難しい小学生にとって、読み聞かせが力を発揮する絵本です。
大人の声で読むことで、登場人物の気持ちを間接的に感じ取りやすくなります。
読み終わった後に無理に感想を求めなくても、心の中で何かが動く、静かな読み聞かせに向いた作品です。
編集的まとめ
これらの絵本に共通しているのは、
「自分で読める年齢でも、読み聞かせにすることで理解や感情が深まる」という点です。
小学生の読み聞かせは、文字の練習ではなく、物語を一緒に味わう時間として考えると、選ぶ本の軸が自然と見えてきます。
本の選び方と、読み聞かせを続けるコツ
小学生への読み聞かせで大切なのは、「どんな本を選ぶか」と「どう続けるか」という二つのポイントです。
子どもたちは年齢によって興味の幅が大きく変わりますし、低学年と高学年では絵本の受け取り方も違います。
また、絵本や昔話の種類、出版社の違いによって文章のリズムやイラストの雰囲気も大きく変わりますよね。
親が選びすぎると“勉強”のように感じてしまう子もいますし、反対に自由すぎると選べなくなることもあります。
そこで役立つのが「子ども自身の選択に委ねきること」と「読み聞かせのペースを家族に合わせる工夫」です。
何を読んでもいいという安心感こそ、習慣を続ける一番の鍵になります。
親が選ぶより“子ども自身に選ばせる”のが成功のポイント
読み聞かせで最も大切なことの一つが「子どもに選ばせる」という姿勢です。
学校の図書室や書店で表紙を見た瞬間の“直感”は、大人が思う以上に正確で、今その子がどんな世界や文章と出会いたいのかを教えてくれます。
出版社や著者が違うと絵本のリズムやイラストの大きさも変わり、その違いが子どもたちの興味を左右します。
たとえうんちの本でも、動物の本でも、王様が出てくる昔話でも、選んだ理由には必ず“今の気持ち”が反映されています。
親が「これは年齢に合わないのでは?」と感じても、一度任せてみることで子どもは自分の世界を広げていきます。
こうした主体的な選択が、読み聞かせの継続につながる大事なステップになります。
同じ本を何度選んでも大丈夫という安心感を与える
小学生、とくに低学年の子どもたちには“繰り返し”を好む時期があります。
同じ作品を何度も選び、最初のページから最後のページまで予想がついているのに、それでも嬉しそうにページをめくります。
この“くり返し体験”は、理解力・語彙・心の安定にとても大切な働きをします。
また、数分の読み聞かせでも、6分、7分、8分と毎回違うテンポで読まれることで、新しい発見が生まれるということもあります。
親としては「またこの本?」と思う瞬間もありますが、大切なのは“何度でも読んでいい”という安心感を子どもに与えることです。
それが、読み聞かせをより深い体験にし、家族の穏やかな文化にもつながるのではないでしょうか。
途中で「自分で読みたい」が出たら成長の合図として受け止める
読み聞かせの途中で、急に子どもが「自分で読む」と言い出すことがあります。
これは“読み手としての自分”を試したい気持ちが芽生えたサインで、とても良い成長のステップです。
たとえ文字の読み間違いやテンポの乱れがあっても、読み聞かせを通じて得た音読のリズムや言葉の運び方を子ども自身が確かめようとしている証拠です。
学校での音読テストとは異なり、家族の中での読みは評価されることがないため、子どもは安心して挑戦できます。
この変化を否定せず「じゃあ次のページ読んでみる?」と任せることで、読書への自信が育っていきます。
一人で読む練習が増えるほど、物語の“世界”をより広く楽しめる力がついていくのです。
少し照れが出る年齢でも、そっと寄り添う姿勢を忘れない
高学年になると、親に読んでもらうことを照れくさく感じる子も増えます。
でもね、「もう自分で読めるよ」と言いつつ、本当は読み聞かせの“安心する時間”を求めていることもあるのです。
とくに学校やクラスでの人間関係、明日の予定、物語に重なる気持ちの整理など、思春期前の心は揺れやすい時期。
そんな年齢だからこそ、短い時間でもそっと寄り添う読み聞かせは、子どもの心の支えになります。
大型絵本でも、小さな作品でも、表紙の雰囲気や写真、イラストだけで会話が始まることがありますよね。
「今日はこの本どう?」と声をかけるだけでも、親子で同じ世界を共有できる大切なきっかけになります。
読み聞かせを長く続けるための家庭の工夫
読み聞かせは、特別なイベントではなく“家族の日常”に溶け込んでこそ長く続きます。
忙しい毎日の中でも無理なく続けるためには、時間の取り方や役割分担、子どもの反応に合わせた柔軟な調整がとても大切です。
読み手となるお母さんやお父さんの負担が大きいと習慣は続きにくく、反対に頑張りすぎると“やらなくてはならない活動”になってしまいます。
絵本の種類も昔話、大型絵本、ユーモア作品、写真絵本などバリエーションが豊富で、選ぶ楽しさそのものが継続の力になります。
色々なレビューを参考にするのも良いですが、最終的に決めるのは子どもたちの“反応”です。
読み聞かせは、家族の温かい文化として少しずつ積み重なっていくものですので、焦らずゆっくり息を合わせて続けていくのが良いのではないでしょうか。
短い時間でもよく、日常の中に“習慣”として溶け込ませる
長く続く読み聞かせには、“短時間でできること”が大きな味方になります。
4〜6分でも、学校の宿題が終わってからのちょっとした時間で十分です。
毎日10分読もうと気負う必要はなく、子どもの様子を見て無理なく続けることが大切です。
最初は短い時間でも、続けていくうちに自然と絵本の世界に入れるようになり、習慣としてのリズムがつくられます。
椅子に座る、表紙を開く、ページをめくる、その小さな動きが“読み聞かせのスイッチ”になります。
忙しい日こそ、短い時間でも読んでもらえると子どもは安心し、明日の学校に向けて気持ちを整えられるのではないでしょうか。
夫婦で役割分担し、無理なく続けられる形をつくる
読み聞かせはお母さんだけがするものでもなく、お父さんだけが担う必要もありません。
家庭の中で役割を分け、曜日や作品ごとに読み手を変えることで、負担が偏らず、子どもにとっても“違う声”を楽しむ機会になります。
お母さんのテンポ、お父さんの声の大きさ、読み方の違いは、それぞれに魅力があります。
夫婦で協力することで、読み聞かせが“家の文化”として根づきやすくなりますし、親同士のコミュニケーションにも良い影響があります。
また、読み聞かせボランティアの経験がある親なら、その技を家庭でも生かせます。
役割分担を工夫することで、自然と長く続く環境が整っていくのです。
子どもの反応を観察し、選ぶ本や時間帯を柔軟に変える
読み聞かせを続ける上で重要なのが“観察”です。
子どもの反応をよく見て、飽きていそうな日や疲れている日には短い作品を選んだり、テンポの良いユーモア絵本に変えたりします。
反対に、世界に入り込みやすい様子が見られる日には、少し物語性の高い作品や大型絵本を選ぶのもおすすめです。
学校の行事やクラスでの出来事があった日は、気持ちを落ち着かせる昔話や優しい文章の作品が合うこともあります。
時間帯も大切で、朝は短め、夜はゆったり、といった切り替えが効果的です。
家庭ごとの“リズム”を大切にしながら調整することで、子どもに寄り添った読み聞かせができます。
読み聞かせが“家族の大切な文化”になるよう工夫する
読み聞かせは続ければ続けるほど、家族にとって特別な文化になります。
好きな絵本を並べる小さな棚を作ったり、“今日の一冊”を決めるメニューを用意したり、椅子の配置を工夫するだけでも雰囲気は変わりますよね。
また、書名や作品を記録していくと、親子でたびたび振り返ることができ、思い出として積もっていきます。
時にはお気に入りの著者や出版社を探すのも楽しいですよね。
写真を撮って絵本の表紙を並べるだけでも、子どもにとっては宝物になります。
「この本読んでもらったよね」と振り返る時間は、読み聞かせが家族の中に温かく根づいていく瞬間でもあります。
読み聞かせは「いつまで」が目安?
読み聞かせという習慣が、幼いころから始まると、親子ともに安らぐひとときになります。
とはいえ「何歳までが目安?」という疑問は多くの家庭で出てきます。
年齢だけで線を引くのは難しく、発達段階や興味、家庭の事情、親子の関係などさまざまな要素が関わります。
ここでは、幼児期・学童期・思春期・そして変化のサインという観点から、読み聞かせの“いつまで”を考えてみましょう。

幼児期(0〜5歳)に読み聞かせが特に有効な理由
0〜5歳の幼児期は、言葉や文字、物語の世界に興味を持ち始める大切な時期。
絵本を通じて、子どもは語彙を覚え、登場人物の気持ちを想像し、世界を広げていきます。
実際、多くの調査で幼児期の読み聞かせが語彙力や表現力、理解力の発達に良い影響を与えることが報告されているのです。
また、親子が一緒に過ごす時間としての安心感や信頼感も生まれ、家庭に自然な読書習慣が根づくきっかけになります。
言葉を覚えることが目的ではなく、親子で物語を味わう時間こそが、豊かな教育の土台になるのではないでしょうか。
学童期(6〜10歳)でも続けるメリットとは
6〜10歳ごろになると、子どもは自分で文字を読み、学校でも本に親しむようになります。
それでも、親の読み聞かせには価値があります。
物語の背景や登場人物の感情を深く理解する力、つまり読解力の芽を育てるからです。
家庭での読み聞かせ時間は、親子のコミュニケーションを保つ“心の接点”にもなります。
「自分で読めるからもういい」と思うかもしれませんが、この時期にこそ、大人の声で語られる物語が心に残るのです。
言葉のニュアンスやリズムを耳で感じる経験は、学校教育では得がたい貴重な財産になるでしょう。
思春期前後(11歳以上)にはどう変える?
11歳を過ぎると、子どもは一人で読む力がつき、好みのジャンルもはっきりしてきます。
この時期は、「読む」形を変えるタイミングです。
親が一方的に読んであげるのではなく、“一緒に読む”“紹介し合う”“感想を語り合う”というスタイルが自然です。
中学生になって、家庭で本の話題を交わすことは良い習慣ですよね。
そして、「本を通して語る」という新しい親子関係の始まりになります。
図鑑や児童書、小説など、少し大人びた本を選びながら、知識や世界観を共有する時間に変えていくとよいでしょう。
読み聞かせを“やめる”とき・“変える”ときのサイン
読み聞かせの“やめどき”は、子どもが「自分で読みたい」と言い出す瞬間かもしれません。
それは成長の証であり、自然な流れです。
ただし「やめる」というより“変える”と考えるのがおすすめです。
親が読むのではなく、互いに好きな本を紹介し合ったり、読んだ内容を話し合ったりする形にすれば、絵本から読書へ、そして対話へと移行できます。
また、一度やめた後に、親子で再び読み聞かせを楽しむこともあります。
季節の絵本や昔話を通じて、思春期の子どもが小さかった頃の温かい記憶を思い出すこともあるでしょう。
読み聞かせは“終わり”ではなく、“かたちを変える”ものなのです。
※では、読み聞かせはいつまで続けたらいいの?と疑問を持ったら「読み聞かせは何歳まで?」
まとめ
小学生への読み聞かせは、「もう自分で読めるから必要ない」というものではありません。
文字が読めても、文章の理解、物語の展開を追う力、気持ちを受け取る感性はまだ育つ途中です。
耳から聞く体験や、絵本のイラストを通じて世界を感じる力は、学校の授業ではなかなか得られない貴重な学びになります。
親子の時間が減りがちな学年だからこそ、短い読み聞かせが家族のあたたかい文化となり、子どもたちの安心の土台になります。
本選びを子どもに任せたり、途中で自分で読みたくなる変化を喜んだり、役割分担で無理なく続けたりすることで、読み聞かせは長く続きます。
絵本や昔話は、年齢を問わず心によりそい、コミュニケーションの扉を開いてくれる存在です。
今日読んだ一冊が、明日の勇気や発見につながることもあります。
家族の記憶に残る“読み聞かせの時間”を、これからもぜひ大切にしてみてください。
※合わせて読みたい「絵本の読み聞かせ いつから始める?」



コメント