絵本の読み 聞かせ の大切さとは?自力読みにつながる10のコツ

絵本の読み聞かせの主な効果を紹介する水彩風インフォグラフィック。明るい初夏のリビングで絵本を開く3歳児をラブラドールが後ろからのぞき、語彙と文章感覚、想像力、本への安心感、人の気持ちを想像する力の4つをやさしく図解している。 自立読み

絵本の読み聞かせは、親子で向き合うやさしい時間ですよね。
一方で、忙しい毎日の中で「この時間は本当に意味があるのかな」と感じることもあるかもしれません。
どうせ時間を使うなら、子どもの成長につながる関わり方を知りたい。
そう思うのは、とても自然なことです。
結論から言うと、読み聞かせは自力読みを直接教える方法ではありません。
けれど、語彙や文章の感覚、物語を理解する力を育て、結果として自立した読みにつながる「土台」を作ります。
この記事では、絵本の読み聞かせ効果を整理しながら、自力読みにつなげるために家庭で意識したい10のコツをお伝えします。

お伝えしたいこと

  • 読み聞かせは、文字を早く読ませる練習ではなく、本を好きになるための土台づくりです。
  • 語彙、想像力、気持ちを読む力が育つことで、自力読みや読解力にもつながります。
  • 小学生以上や中学生にも、絵本は幼いものではなく、短い物語を深く味わう入口になります。
  1. 絵本の読み聞かせで期待できる主な効果
    1. 語彙と文章の感覚が自然に身につく
    2. 物語を理解し想像する力が育つ
    3. 本に対する安心感と前向きな気持ちが育つ
    4. 人の気持ちを想像する力にもつながる
  2. 小学生以上・中学生にも絵本の読み聞かせは意味がある
    1. 絵本は幼い本ではなく、短い物語を深く読む本
    2. 文字が少ないぶん、行間を読む力が育つ
    3. 表情や色から登場人物の気持ちを想像できる
    4. 昔読んだ絵本も、年齢が上がると感じ方が変わる
  3. 読み聞かせは自力読みの練習ではない
    1. 読み聞かせと自力読みは役割が違う
    2. 先に育てたいのは内容を理解する力
    3. 文字を覚えさせようと急がなくていい
  4. 自分で読める子に読み聞かせをする意味
    1. 一人読みは文字を追う力、読み聞かせは物語に入る力
    2. 少し難しい言葉やテーマにも出会いやすくなる
    3. 親子で感想を話すきっかけになる
    4. 読書好きな子にも、聞く読書のよさがある
  5. 読み聞かせをよりよい時間にするための大切なポイント
    1. 年齢や興味に合った本を選ぶ
    2. 小学生以上・中学生は年齢よりテーマで選ぶ
    3. 絵本選びに迷ったら、子どもの「好き」から入る
    4. 声や表情を使って物語の世界を伝える
    5. 上手に演じようとしすぎなくてもいい
    6. 対話を取り入れて子どもの気持ちを引き出す
    7. 途中で質問しすぎない
    8. 読み終わったあと、すぐ感想を聞かなくてもいい
    9. 落ち着いて楽しめる環境と習慣をつくる
  6. 絵本の読み聞かせ効果を高める10のコツ
    1. コツ1 読み聞かせで文字を教えようとしない
    2. コツ2 文字より先に「聞く経験」を大切にする
    3. コツ3 同じ絵本を何度も読むのをOKにする
    4. コツ4 途中で説明しすぎない
    5. コツ5 語彙や文の形は耳から入ると考える
    6. コツ6 本は「評価されない安心な場所」にする
    7. コツ7 文字認識より内容理解を優先する
    8. コツ8 親が楽しむ姿勢を見せる
    9. コツ9 自力読みへのサインを見逃さない
    10. コツ10 読めるようになっても読み聞かせを続ける
  7. 子どもが読み聞かせを聞いてくれないときの考え方
    1. 集中しない日は短い絵本に変えていい
    2. 途中で話し出しても失敗ではない
    3. 読まない日があっても効果がなくなるわけではない
  8. 動画を見るのと絵本の読み聞かせは何が違う?
    1. 読み聞かせは声や表情も一緒に届く
    2. ページをめくる間が想像する時間になる
    3. 動画は便利だからこそ使い分ける
  9. 自力読みへつなげるための考え方
    1. 移行のタイミングに正解はない
    2. 効果を感じにくいときは焦らない
    3. 自分で読みたいサインが出たら見守る
  10. よくある質問
    1. 毎日読み聞かせをしないと効果はありませんか
    2. 何分くらい読めばいいですか
    3. 子どもが聞きたがらない日はどうしますか
    4. 読み聞かせが下手でも効果はありますか
    5. 同じ絵本ばかり読みたがるのはよくないですか
    6. YouTubeの読み聞かせ動画でも代わりになりますか
    7. 読み聞かせは何歳まで続ければいいですか
    8. 中学生に絵本の読み聞かせは幼くありませんか
    9. 親が読むのを嫌がる年齢になったらどうすればいいですか
    10. 読書感想文や国語の勉強につなげてもいいですか
    11. 読み聞かせの途中で質問してもいいですか
    12. 絵本に興味を持たない子にはどうしたらいいですか
  11. まとめ

絵本の読み聞かせで期待できる主な効果

読み聞かせの効果は、「読めるようになる」という一言では語れません。
子どもの内側で、いくつもの力が静かに育っていきます。

語彙と文章の感覚が自然に身につく

絵本には、日常会話ではあまり使わない言葉や言い回しがたくさん登場します。
それを耳で何度も聞くことで、語彙の引き出しが少しずつ増えていきます。
また、文章の始まりと終わり、出来事の流れを体で覚えることで、文の構造への理解も育っていきます。

物語を理解し想像する力が育つ

読み聞かせでは、文字を追う負担がありません。
その分、登場人物の気持ちや場面の変化に意識を向けやすくなります。
「このあとどうなるんだろう」という想像が、自然に働くようになるのです。

本に対する安心感と前向きな気持ちが育つ

読み聞かせは、本と出会う最初の体験になりやすいものです。
楽しく、安心できる時間として記憶されると、本への抵抗感が生まれにくくなります。
この心理的な安心感は、後の読書習慣にも大きく影響します。

人の気持ちを想像する力にもつながる

絵本の中では、うれしい、かなしい、こわい、ほっとするなど、いろいろな気持ちが描かれます。
登場人物の表情や行動を見ながら話を聞くことで、子どもは「この子は今、どんな気持ちなのかな」と考えるようになります。
この経験は、友達や家族の気持ちを想像する力にもつながっていきます。

小学生以上・中学生にも絵本の読み聞かせは意味がある

絵本というと、小さな子どものための本というイメージがあるかもしれません。
でも、小学生以上や中学生にとっても、絵本を読んでもらう時間には意味があります。
むしろ年齢が上がるほど、短い文章や絵の余白から、登場人物の気持ちやテーマを深く読み取れるようになります。
「もう大きいから絵本は卒業」と決めつけず、その子の今の気持ちに合う一冊を選ぶことが大切です。

絵本は幼い本ではなく、短い物語を深く読む本

絵本は文字数が少ないので、簡単な本に見えることがあります。
けれど、短い言葉の中に登場人物の迷いや願い、言葉にしにくい気持ちが込められている作品も少なくありません。
中学生になると、昔はただ楽しいと感じていた場面から、別の意味を受け取れることがあります。
短いから浅いのではなく、短いからこそ一つひとつの言葉や絵をじっくり味わえるのです。

文字が少ないぶん、行間を読む力が育つ

絵本には、すべての気持ちが文章で説明されているわけではありません。
なぜ黙っているのか、どうしてその表情なのか、次のページまでの間に何が起きたのかを想像する必要があります。
これは、国語の読解でいう「書かれていない気持ちを読む力」に近いものです。
読み聞かせでその余白を一緒に味わうと、文章を急いで正解探しするのではなく、場面全体から考える姿勢が育ちます。

表情や色から登場人物の気持ちを想像できる

絵本では、文字だけでなく絵も大切な情報です。
登場人物の目線、手の動き、背景の色、ページ全体の明るさなどから、言葉になっていない気持ちを感じ取ることができます。
中学生くらいになると、絵の細かな変化や構図の意味にも気づきやすくなります。
こうした読み方は、物語文だけでなく、写真や資料、広告などを読み解く力にもつながっていきます。

昔読んだ絵本も、年齢が上がると感じ方が変わる

小さいころに好きだった絵本を、成長してから読み返すと、まったく違う印象になることがあります。
主人公の気持ちだけでなく、親や友達、まわりの人の立場にも目が向くようになるからです。
昔は気づかなかった悲しさ、やさしさ、こわさに気づくこともあります。
同じ絵本を読み直すことは、成長した自分の感じ方を知る時間にもなります。

読み聞かせは自力読みの練習ではない

読み聞かせをしていると、「いつ文字を読ませればいいのか」と悩むことがあります。
ですが、ここで大切なのは役割の違いを知ることです。

読み聞かせと自力読みは役割が違う

読み聞かせは、大人が物語を届ける体験です。
一方、自力読みは、子ども自身が文字を追い、意味を理解する行為です。
この二つを同じものとして考えると、「まだ読めない」という不安が生まれやすくなります。

先に育てたいのは内容を理解する力

文字が読めても、内容が理解できなければ読書は楽しくなりません。
先に育てたいのは、話の流れをつかみ、意味を感じ取る力です。
読み聞かせは、そのための準備期間だと考えると気持ちが楽になりますね。

文字を覚えさせようと急がなくていい

読み聞かせの時間に、文字を指して「これは何て読むの」と確認しすぎると、子どもにとって本が勉強のように感じられることがあります。
もちろん、子どもが自分から文字に興味を持ったときは、やさしく受け止めて大丈夫です。
ただ、読み聞かせの中心は、あくまで物語を楽しむことです。

自分で読める子に読み聞かせをする意味

子どもが自分で文字を読めるようになると、「もう読み聞かせは必要ないのかな」と感じることがあります。
でも、自分で読むことと、だれかに読んでもらうことは同じではありません。
一人読みは文字を追う力を育てます。
読み聞かせは、声を通して物語に入り、絵や言葉を一緒に味わう時間になります。
読めるようになったあとも、聞く読書には別のよさがあります。

一人読みは文字を追う力、読み聞かせは物語に入る力

一人で読むとき、子どもは文字を追い、意味をつかみ、自分のペースで読み進めます。
これはとても大切な力です。
一方で読み聞かせでは、文字を読む負担が少ないぶん、場面や気持ちに集中しやすくなります。
絵を見ながら声を聞くことで、物語の世界にすっと入りやすくなるのです。

少し難しい言葉やテーマにも出会いやすくなる

自分で読むには少し難しい言葉やテーマでも、読んでもらう形なら受け取りやすいことがあります。
平和、命、別れ、家族、友達関係など、すぐには答えが出ないテーマも、絵本なら短い時間で向き合えます。
わからない言葉があっても、前後の流れや絵から意味を想像できます。
この経験が、少し難しい文章にも向き合う力を育てます。

親子で感想を話すきっかけになる

小学生以上や中学生になると、親子で面と向かって気持ちを話すのが少し照れくさくなることがあります。
そんなとき、絵本は会話の間に置けるものになります。
「この場面、ちょっと残るね」「この子は本当は何を言いたかったんだろう」くらいの短い会話で十分です。
直接本人の悩みを聞き出そうとしなくても、物語を通して気持ちを共有できることがあります。

読書好きな子にも、聞く読書のよさがある

ふだんから本を読む子にとっても、読み聞かせは無駄ではありません。
一人で読むときとは違うリズムで言葉を聞くことで、文章の響きや間に気づきやすくなります。
また、同じ本でも、読む人の声や読み方によって印象が変わることがあります。
読書好きな子ほど、「自分ならどう読むか」と考えるきっかけにもなります。

読み聞かせをよりよい時間にするための大切なポイント

読み聞かせは、ただ本を読むだけの時間ではありません。
親子で同じ世界をのぞきこむ、ちょっと特別な時間でもあります。
せっかくなら、その時間がもっと楽しく、心に残るものになってほしいところ。
ここでは、気軽に取り入れられるコツをいくつかまとめてみました。

自宅庭にいる小さな女の子

年齢や興味に合った本を選ぶ

読み聞かせでは、子どもの年齢や興味に合わせた本選びが大切になります。
たとえば、0〜1歳くらいなら、色がはっきりしていて、音やリズムが楽しめる絵本がぴったり。
2〜3歳になると、少しストーリーがあるものや、身近な生活がテーマの絵本に興味を持ちやすくなります。
4〜6歳くらいになると、動物の冒険やファンタジーなど、少し長めの物語も楽しめるようになりますよ。
7歳以上なら、登場人物の気持ちの変化や成長が描かれた作品にもじっくり向き合えるようになっていきます。
とはいえ、年齢だけで決めすぎないのもコツです。
その子が今ハマっているテーマを優先したほうが、ぐっと集中してくれることもあります。

年齢の目安 選び方のポイント おすすめのタイプ
0〜1歳 色や形がはっきりしていて、音の響きが楽しめるもの 擬音、くり返し、顔や動物が出てくる絵本
2〜3歳 食事、着替え、散歩など、身近な生活とつながるもの 生活絵本、乗り物、動物、簡単なストーリー
4〜6歳 少し長い話や、登場人物の気持ちが動くもの 冒険、昔話、友達や家族が出てくる絵本
小学生以上 考える余白があり、絵や言葉をじっくり味わえるもの 気持ちの変化、成長、平和、命、ユーモアのある絵本

小学生以上・中学生は年齢よりテーマで選ぶ

大きくなった子に絵本を選ぶときは、対象年齢だけで決めなくても大丈夫です。
むしろ、今の気持ちや関心に近いテーマから入るほうが、自然に受け入れやすくなります。
友達関係、家族、進路、命、平和、失敗、やり直しなど、少し考えたくなるテーマを選ぶと、絵本が幼いものではなく、自分の気持ちとつながる本になります。

子どもの状態 選びたいテーマ 読んだ後の声かけ
友達関係で悩んでいる すれ違い、仲直り、孤独、居場所 この子はどこでつらかったと思う?
勉強に疲れている 失敗、休むこと、やり直し 少し楽になった場面はあった?
将来が不安 旅、選択、成長、別れ 自分ならどっちを選ぶ?
家族と話しにくい 家族、記憶、手紙、ありがとう 言葉にしにくい気持ちはあった?

絵本選びに迷ったら、子どもの「好き」から入る

対象年齢は目安になりますが、いちばん大切なのは、その子が興味を持てるかどうかです。
動物が好きなら動物の絵本、電車が好きなら乗り物の絵本、食べることが好きなら食べ物の絵本から始めて大丈夫です。
図書館や書店で迷ったときは、子どもの好きなものを伝えて相談してみるのもよい方法です。

声や表情を使って物語の世界を伝える

子どもは、ことばそのものよりも、読み手の声や表情から多くのことを感じ取ります。
少し声のトーンを変えたり、登場人物ごとに雰囲気を変えたりするだけでも、ぐっと物語が立体的に伝わります。
びっくりする場面では少し間をとったり、楽しい場面では明るく読んだりすると、空気が変わります。
ただ、完璧に演じる必要はありません。
むしろ、読み手が楽しそうにしているかどうかのほうがずっと大事だったりします。
自然な笑顔ややわらかい声があるだけで、子どもは安心して物語に入り込めるものです。

上手に演じようとしすぎなくてもいい

読み聞かせというと、登場人物ごとに声を変えたり、劇のように演じたりしなければいけないと思うかもしれません。
でも、完璧な読み方を目指す必要はありません。
大切なのは、子どもが安心して物語を聞けることです。
声色を作りすぎるより、自然な声で、読み手自身も楽しみながら読むほうが伝わりやすいこともあります。

対話を取り入れて子どもの気持ちを引き出す

読み聞かせの途中で、少し声をかけてみるのもおすすめです。
「この子、どんな気持ちかな?」とか「このあとどうなると思う?」といった軽い問いかけで十分です。
答えは正解じゃなくて大丈夫。
子どもが自由に考えたり、感じたりすることに意味があります。
自分のことばで話すことで、物語がぐっと身近なものになります。
また、子どもの反応を見ることで、その子がどこに興味を持っているのかも見えてきます。
会話が少し入るだけで、読み聞かせの時間がぐっと豊かになりますよ。

途中で質問しすぎない

対話は大切ですが、読みながら何度も質問すると、子どもが物語の世界から出てしまうことがあります。
楽しそうに聞いているときは、あえて途中で止めず、最後まで読んでから話すのもおすすめです。
読み聞かせはテストではないので、正しく答えられるかを確かめる必要はありません。
子どもの表情やつぶやきを、やさしく受け止めるくらいで十分です。

読み終わったあと、すぐ感想を聞かなくてもいい

読み終わったあとに「どうだった?」と聞きたくなることもありますよね。
でも、子どもが余韻の中にいるときは、すぐに感想を言葉にできないこともあります。
そのまま少し絵を見たり、裏表紙まで眺めたりする時間も、読み聞かせの一部です。
感想を引き出すより、「おもしろかったね」と同じ空気を味わうだけで十分な日もあります。

落ち着いて楽しめる環境と習慣をつくる

読み聞かせの時間は、できるだけ落ち着いた環境で行うのが理想です。
テレビの音が大きかったり、周りがにぎやかすぎたりすると、どうしても集中しにくくなります。
ほんの少し静かな空間をつくるだけでも、物語への入り方が変わります。
また、寝る前など決まったタイミングに読む習慣をつくると、子どもにとって楽しみな時間になります。
「今日はどの本かな」と待ってくれるようになることもあります。
無理に毎日やろうとしなくても大丈夫。
続けやすい形で、親子で楽しめるペースを見つけていくのがいちばんです。

読む前のかんたんチェック

  • 子どもが見やすい向きで本を持てている
  • テレビや動画の音が気にならない
  • 今日の子どもの機嫌や眠さに合う長さの本を選んでいる
  • 途中で話しかけられても、あわてず受け止めるつもりでいる
  • 最後まで読めなくても大丈夫と思えている

絵本の読み聞かせ効果を高める10のコツ

ここからは、読み聞かせを自力読みにつなげるために、家庭で意識したい10のコツを紹介します。
どれも完璧に守る必要はありません。
迷ったときの目安として使ってくださいね。

階段で読書に熱中している女子

コツ1 読み聞かせで文字を教えようとしない

読み聞かせは、文字を覚えさせる時間ではありません。
言葉や物語を楽しむ体験そのものが大切です。
教え込まない姿勢が、結果的に読書への前向きな気持ちを育てます。

コツ2 文字より先に「聞く経験」を大切にする

幼児期は、目で読むより耳で聞く経験が重要です。
声の抑揚や言葉のリズムをたっぷり味わわせてあげましょう。
聞く経験が豊かなほど、文章全体を理解しやすくなります。

コツ3 同じ絵本を何度も読むのをOKにする

同じ本を繰り返し求められると、少し飽きてしまうこともありますよね。
でも、繰り返しは理解を深める大切な過程です。
子どもにとって、知っている話は安心して楽しめる場所でもあります。
大人には同じ内容に見えても、子どもは絵の細かい部分に気づいたり、言葉のリズムを覚えたりしています。
安心感の中で、語彙や表現が自然に定着していきます。

コツ4 途中で説明しすぎない

読み聞かせの途中で、意味を説明したくなることもあります。
ですが、物語の流れを止めないことが大切です。
理解は、後からゆっくり育っていきます。

コツ5 語彙や文の形は耳から入ると考える

難しそうな言葉でも、聞いているうちに少しずつ慣れていきます。
意味が分からなくても問題ありません。
言葉に触れる回数そのものが、力になります。

コツ6 本は「評価されない安心な場所」にする

読み聞かせの時間に、正解や理解度を測る必要はありません。
安心できる時間だからこそ、集中力や興味が自然に高まります。
本は楽しい場所だと感じられることが大切です。

コツ7 文字認識より内容理解を優先する

文字が読めることより、話の意味をつかめているかを大切にしましょう。
内容理解が育っていると、文字を覚えた後の伸びが大きくなります。
順序を意識することが、近道になるのです。

コツ8 親が楽しむ姿勢を見せる

読み聞かせをする大人の雰囲気は、子どもに伝わります。
楽しそうに読む姿は、それだけで本への好印象になります。
義務ではなく、共有の時間として楽しみたいですね。

コツ9 自力読みへのサインを見逃さない

文字を指で追う。
知っている言葉を声に出す。
こうした行動は、自力読みへの準備が進んでいるサインです。
無理に進めず、タイミングを見守りましょう。

コツ10 読めるようになっても読み聞かせを続ける

文字が読めるようになってからも、読み聞かせは役立ちます。
一人読みでは出会えない語彙や表現に触れられるからです。
親子の会話も深まり、読書習慣が定着しやすくなります。

自力読みへの移行については、こちらの記事でもくわしく紹介しています。

子どもが読み聞かせを聞いてくれないときの考え方

読み聞かせをしようとしても、子どもが途中で動き出したり、別の遊びを始めたりすることがあります。
そんなとき、「読み聞かせに向いていないのかな」と不安になるかもしれません。
でも、聞いてくれない日があるのは自然なことです。
大切なのは、無理に最後まで聞かせることではなく、本との時間を嫌なものにしないことです。

子どもの様子 対応の目安
途中で動き出す 短い絵本に変える。絵を見るだけでもOKにする。
話しかけてくる ひと言受け止めてから、物語に戻る。
同じ本ばかり選ぶ 安心して楽しんでいるサインと考え、そのまま読んでよい。
まったく聞きたがらない 今日は休む。無理に読ませない。

集中しない日は短い絵本に変えていい

長い絵本を最後まで読むことだけが、よい読み聞かせではありません。
集中しにくい日は、短い絵本や、絵を見るだけでも楽しめる本に変えて大丈夫です。
「最後まで聞けた」という小さな満足感が、本への前向きな気持ちにつながります。

途中で話し出しても失敗ではない

子どもが途中で話し出すのは、物語に反応しているサインでもあります。
すべてを止めて説明する必要はありませんが、短く受け止めてから続きを読めば大丈夫です。
会話が少し入ることで、絵本の世界がその子にとって身近になることもあります。

読まない日があっても効果がなくなるわけではない

疲れている日や気分が乗らない日は、無理に読まなくても大丈夫です。
読み聞かせは、毎日きっちり続ける修行ではありません。
親子で気持ちよく向き合えるペースのほうが、長く続きやすくなります。

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動画を見るのと絵本の読み聞かせは何が違う?

最近は、絵本の読み聞かせ動画やアプリもたくさんあります。
忙しいときに助けになることもありますよね。
ただ、動画を見ることと、身近な人に絵本を読んでもらうことは、まったく同じではありません。
どちらが正しいかではなく、違いを知って使い分けることが大切です。

比べるポイント 絵本の読み聞かせ 動画やアプリ
声や表情 身近な人の声や表情が一緒に届く 画面の音声や演出が中心になる
想像する時間 ページをめくる間に考える余白がある 場面が自動で進みやすい
会話 反応に合わせて声をかけられる 見るだけになりやすい
便利さ 読む人の時間と関わりが必要 忙しいときや移動中に使いやすい

読み聞かせは声や表情も一緒に届く

絵本を読んでもらう時間には、ことばだけでなく、声の温度や表情、近くにいる安心感も一緒に届きます。
同じ文章でも、読んでくれる人の声で聞くと、子どもにとって特別な記憶になりやすいものです。

ページをめくる間が想像する時間になる

紙の絵本には、ページをめくる間があります。
その少しの間に、子どもは次の場面を想像したり、絵をじっと見たりします。
この余白が、物語を自分の中で味わう時間になります。

動画は便利だからこそ使い分ける

動画やアプリを使うこと自体が悪いわけではありません。
忙しいときや移動中に助かることもあります。
ただ、親子で向き合える時間があるなら、短い絵本を一冊読むだけでも、動画とは違う関わりになります。

自力読みへつなげるための考え方

読み聞かせを続けていると、少しずつ子どもの様子が変わってきます。
その変化をどう受け止めるかが大切です。

4歳2歳の姉妹 庭で絵本を読んでいる

移行のタイミングに正解はない

自力読みへの移行に、決まった年齢はありません。
「読みたい」という気持ちが高まるのを待つことが大切です。
急がなくても、土台はきちんと育っています。

効果を感じにくいときは焦らない

結果を早く求めすぎると、効果が見えにくくなります。
読み聞かせの力は、時間をかけて積み重なるものです。
少し距離を置いて振り返ると、変化に気づけることもありますよ。

自分で読みたいサインが出たら見守る

子どもが文字を指で追ったり、知っている言葉だけ読もうとしたりすると、自力読みが近づいているサインかもしれません。
そのときは、間違いをすぐ直すより、「読んでみたい」という気持ちを大切にしましょう。
読める部分だけ読んで、難しいところは大人が読む形でも十分です。

よくある質問

毎日読み聞かせをしないと効果はありませんか

毎日でなくても大丈夫です。
短い時間でも、細く長く続けることが大切です。

何分くらい読めばいいですか

時間よりも、心地よさを優先しましょう。
5分でも、子どもが満足していれば十分です。

子どもが聞きたがらない日はどうしますか

無理に読む必要はありません。
今日はお休み、でも問題ありませんよ。

読み聞かせが下手でも効果はありますか

あります。
大切なのは、上手に読むことより、子どもが安心して聞ける時間にすることです。
自然な声で、読み手も楽しみながら読むだけで十分です。

同じ絵本ばかり読みたがるのはよくないですか

よくないことではありません。
同じ絵本をくり返し読むことで、言葉のリズムや物語の流れが少しずつ身についていきます。
子どもにとっては、安心できるお気に入りの時間でもあります。

YouTubeの読み聞かせ動画でも代わりになりますか

動画が役に立つ場面もあります。
ただ、身近な人の声で読んでもらう時間には、安心感や会話が生まれやすいという違いがあります。
動画だけに頼りすぎず、できる範囲で紙の絵本も取り入れるとよいでしょう。

読み聞かせは何歳まで続ければいいですか

決まった年齢はありません。
子どもが自分で読めるようになってからも、読んでもらうことで少し難しい言葉や物語に触れやすくなります。
嫌がらないうちは、続けても大丈夫です。

中学生に絵本の読み聞かせは幼くありませんか

幼いとは限りません。
絵本は文字が少ないぶん、表情や色、余白から気持ちを読む力が必要になります。
中学生になると、昔は気づかなかったテーマや言葉の深さに気づけることもあります。
子ども扱いするのではなく、一緒に短い物語を味わう時間として考えると自然です。

親が読むのを嫌がる年齢になったらどうすればいいですか

無理に読み聞かせの形にしなくて大丈夫です。
同じ絵本を別々に読んで、あとで一言だけ感想を話す形でも十分です。
交代で読む、気に入ったページだけ読むなど、子ども扱いに見えない形に変えると受け入れやすくなります。

読書感想文や国語の勉強につなげてもいいですか

つなげてもよいですが、最初から勉強にしすぎないことが大切です。
読み終わったあとに感想を強く求めると、絵本がテストのように感じられることがあります。
まずは「どの場面が残った?」くらいの軽い会話から始めるのがおすすめです。

読み聞かせの途中で質問してもいいですか

少しなら大丈夫です。
ただし、質問が多すぎると物語の流れが止まってしまうことがあります。
子どもが楽しんで聞いているときは、最後まで読んでから話すのもおすすめです。

絵本に興味を持たない子にはどうしたらいいですか

無理に読ませようとしなくて大丈夫です。
好きな動物、乗り物、食べ物など、その子の興味に近い絵本から試してみましょう。
短い本や、絵を見るだけで楽しめる本から始めるのもよい方法です。

絵本専門士にご興味をお持ちの方はこちら

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絵本専門士について詳しく見る

まとめ

絵本の読み聞かせ効果は、すぐに目に見えるものではありません。
語彙、理解力、想像力、本への安心感。
それらが少しずつ積み重なり、自力読みの土台になります。
また、絵本は小さな子どもだけのものではありません。
小学生以上や中学生になってからも、短い言葉や絵の余白から気持ちを読み取ることで、読解力や対話のきっかけになります。
10のコツは、完璧に守るためのルールではありません。
迷ったときに立ち返るヒントとして使ってください。
結果を急がず、比べず。
親子で物語の時間を楽しむことが、いちばん大切な効果なのかもしれませんね。

自力読みへの移行については、こちらの記事でも紹介しています。

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