あいさつが楽しく覚えられる絵本|0歳・1歳・2歳・3歳におすすめの選び方

あいさつ絵本を持った3歳女児が、住宅街で通りすがりのお婆さんにおじぎをする水彩風インフォグラフィック。 読み聞かせ

お伝えしたいこと

  • あいさつ絵本は、言葉だけでなく人との関わりを覚える入り口になります。
  • 0歳・1歳・2歳・3歳では、年齢に合わせた選び方をすると読み聞かせがしやすくなります。
  • 言えない子にも、手ぶりやおじぎから始めれば無理なく楽しめます。

あいさつは、子どもが人と関わるための小さな入り口です。
でも、毎日の中で「ちゃんと言いなさい」と伝え続けるのは、ママやパパにとっても少し大変ですよね。
そんなときに役立つのが、あいさつをテーマにした絵本です。

おはよう、こんにちは、ありがとう、ごめんなさい、ばいばい。
短い言葉でも、絵本のイラストや親子の読み聞かせを通すと、子どもは自然に興味を持ちやすくなります。

0歳の赤ちゃんは音を楽しむところから。
1歳はまねっこ、2歳は生活の場面、3歳は気持ちのやりとりへ。
年齢に合わせて選択すれば、あいさつの絵本は知育にも親子のあそびにもなる一冊です。

あいさつの絵本は、生活習慣を楽しく覚える入り口

あいさつは、毎日の生活の中で何度も出てくる言葉です。
だからこそ、絵本で楽しくふれておくと、子どもにとって「言わなきゃいけないもの」ではなく「人とつながる合図」になっていきます。

0歳、1歳、2歳、3歳の小さな子どもたちは、まだ大人のように意味を整理して理解するわけではありません。
でも、声の調子、くり返し、表情、動物のイラスト、親子で一緒に読む時間の中で、少しずつあいさつの雰囲気を覚えていきます。

あいさつは言葉だけでなく、人との関わりを覚える練習

あいさつは、ただの言葉ではありません。
おはようと言われたら顔を見る。
こんにちはと声をかけられたら、相手が自分に気づいてくれたと感じる。
ありがとうにはうれしい気持ちがあり、ごめんなさいには相手を大切にする気持ちがあります。

子どもにとってのあいさつは、人との関わりを少しずつ覚える練習になるんですね。
とくに幼児期は、言葉の数だけでなく、表情や声、体の向きなども一緒に育っていく時期です。

絵本の中で子どもたちや動物があいさつする場面を見ると、「こういうときに言うんだな」と生活の中の使い方がわかりやすくなります。
まだうまく言えない子供でも、親子で読み聞かせをくり返すうちに、気持ちのラインが少しずつつながっていくでしょう。

絵本なら「言いなさい」より自然に伝わる

あいさつを教えようとすると、つい「ほら、こんにちはは?」と言いたくなることがありますよね。
もちろん必要な場面もありますが、子どもによっては緊張してしまったり、言われるほど固まってしまったりすることもあります。

絵本なら、直接注意されている感じが少ないので、子どもが受け取りやすくなります。
たとえば、登場人物が元気に「おはよう」と言う作品を読んだあとで、ママが同じように「おはよう」と声に出す。
それだけでも、あいさつは楽しいものとして伝わります。

お気に入りのシリーズや、やさしいイラストのえほんを選ぶと、子どもは安心してページをめくれます。
大人が正しい言い方を評価するよりも、まずは一緒に楽しむことが大切ですね。
失敗しても、もう一度読めばいい。
絵本のよさは、何度でもやり直せるところにもあります。

声が出なくても手ぶりやおじぎで参加できる

あいさつは、声に出すだけが参加ではありません。
まだ言葉が出ない赤ちゃんや、恥ずかしがり屋の子どもでも、手を振る、おじぎをする、にこっと笑うなどの形で参加できます。

ばいばいの場面で手を振る。
ありがとうの場面でぺこりとする。
それだけでも、子どもにとっては立派なあいさつの練習になります。

絵本の読み聞かせでは、親が「言ってみよう」と急がせるより、「一緒にやってみよう」と誘うほうが入りやすいことがあります。
たとえば、動物が出てくる絵本なら、くまさんにこんにちは、うさぎさんにばいばいと、あそびのように進められますよね。

声が小さくても、言えなくても、今はその子なりに参加している途中。
そう思えると、ママやパパの気持ちも少し楽になりますね。

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年齢別・あいさつ絵本の選び方

あいさつ絵本は、子どもの年齢に合わせて選ぶと読み聞かせがぐっと楽になります。
0歳には音、1歳にはまね、2歳には生活場面、3歳には気持ちのやりとり。
そして4歳以上になると、日本だけでなく世界の挨拶やマナーにも興味が広がっていきます。

子どもの発達には個人差があるので、対象年齢はあくまで目安です。
ショップのレビューを見ながら、ご家庭に合う一冊を選んでみてください。

犬と一緒に絵本を読む男児

0歳は音が楽しい絵本

0歳の赤ちゃんには、あいさつの意味を教えるというより、音の楽しさが伝わる絵本を選ぶと読みやすいです。
「おはよう」「ばいばい」「こんにちは」のように短くて聞き取りやすい言葉は、赤ちゃんの耳にも入りやすいですね。
ページ数が少なく、イラストが大きく、色のはっきりしたえほんだと、親子で見やすくなります。

本体が丈夫なボードブックや、角が丸いタイプなら、ご利用しやすいご家庭も多いでしょう。
ただし、最初の選択で一番必要なのは、赤ちゃんがじっと見るか、ママやパパが声に出して読みやすいかですよ。

タイトル 作者名 出版社 内容の要約
ごあいさつあそび きむらゆういち 偕成社 動物たちがやってきて「こんにちは」とあいさつする、赤ちゃん向けのしかけ絵本です。ページをめくる楽しさがあり、親子で音や動きを楽しみやすい一冊です。
ノンタンおはよう キヨノサチコ 偕成社 ノンタンと一緒に「おはよう」「いただきます」など、生活の中のあいさつにふれられる絵本です。短い言葉が多く、朝の読み聞かせにも使いやすい内容です。
おはようのえほん いしかわこうじ 童心社 太陽が動物たちに声をかけ、動物たちが元気に朝のあいさつをするしかけ絵本です。色がはっきりしていて、0歳の赤ちゃんにも見せやすい作品です。
ばいばい またね さとうわきこ 金の星社 ひよこが帰るときに、ねこやコップさん、おひさまなどに「ばいばい またね」と声をかける赤ちゃん絵本です。別れのあいさつを楽しく受け取れます。
おはよう 新井洋行 童心社 「おはよう」「こんにちは」「こんばんは」など、1日のあいさつにふれられるしかけ絵本です。くり返しの言葉とページをめくる楽しさがあります。

1歳はまねしやすい絵本

1歳ごろになると、子どもは大人のまねをするのが楽しくなってきます。
そのため、手を振る、おじぎする、にこっと笑うなど、動作がわかりやすいあいさつ絵本がおすすめです。
「ばいばい」と言いながら手を振るだけでも、親子のあそびになりますよ。

この時期は、ページをめくる、動物を指さす、同じ言葉をもう一度聞きたがるなど、反応が少しずつ増えていきます。
読み聞かせの途中で、子どもが別のページに興味を持っても失敗ではありません。
子ども自身が選択して楽しんでいる途中だからです。
お気に入りのタイトルを何度も読むうちに、あいさつのリズムが自然に身についていくこともあります。

タイトル 作者名 出版社 内容の要約
ばいばい まついのりこ 偕成社 いろいろな動物が出てきて、「こんにちは」「ばいばい」とくり返す赤ちゃん絵本です。手を振る動作をまねしやすく、1歳ごろのあいさつ遊びに向いています。
おはよう まついのりこ 偕成社 朝の場面や身近な動作を見ながら、親子で自由に声をかけて楽しめる絵本です。言葉が少ないぶん、子どものしぐさに合わせて「おはよう」とまねしやすい一冊です。
ごあいさつあそび きむらゆういち 偕成社 動物たちがやってきて「こんにちは」とあいさつする、しかけ絵本です。ページをめくる動きとあいさつが結びつくので、おじぎや声まねを親子で楽しめます。
こんにちは、ばいばい サトシン/北村裕花 神宮館 森で出会う動物たちに「こんにちは」「ばいばい」とあいさつしていく絵本です。動物の鳴き声やシルエットを楽しみながら、あいさつのやりとりをまねできます。
ペネロペ あいさつできるかな アン・グットマン/ゲオルグ・ハレンスレーベン 岩崎書店 ペネロペが1日の中でいろいろなあいさつを練習する絵本です。間違えても言い直す場面があり、子どもが安心してまねしやすい内容になっています。

2歳は生活場面がわかる絵本

2歳ごろの子どもには、朝起きたとき、食事の前、外で人に会ったときなど、生活場面がはっきりしている絵本が向いています。
「おはよう」は朝の言葉。
「いただきます」はごはんの前の言葉。
「ごちそうさま」は食べ終わったあとの言葉。

こうした流れが絵で見えると、子どもは日常と絵本を結びつけやすくなります。
たとえば、朝の場面、ごはんの場面、お出かけの場面など、子どもがふだん経験している内容に近い絵本を選ぶと、読み聞かせのあとにまねしやすくなります。
「絵本で見たあいさつ」と「今日の生活」がつながると、あいさつはただ覚える言葉ではなく、自分で使える言葉になっていきます。
2歳ごろは、まだ上手に言えなくてもだいじょうぶです。
ページを指さしたり、親の言葉をまねしたりするだけでも、少しずつ生活の中にあいさつがなじんでいきます。

タイトル 作者名 出版社 内容の要約
いただきます 新井洋行 童心社 動物たちの前にあるお皿に、しかけをめくると好きな食べ物が出てくる絵本です。「いただきます」の言葉と食べるしぐさが結びつきやすく、食事前の読み聞かせに向いています。
おはよう 新井洋行 童心社 朝起きる場面から始まり、「おはよう」「こんにちは」など1日のあいさつにふれられるしかけ絵本です。朝の支度や外出前の声かけとつなげやすい一冊です。
ノンタンおはよう キヨノサチコ 偕成社 ノンタンの1日の中で、「おはよう」「いただきます」などのあいさつが出てくる絵本です。生活の流れに沿って読めるので、2歳ごろの子どもにも場面を結びつけやすい内容です。
ペネロペあいさつできるかな アン・グットマン/ゲオルグ・ハレンスレーベン 岩崎書店 ペネロペが朝のあいさつ、お礼、帰るときのあいさつなどを練習する絵本です。園生活や日常の場面に合わせて、どんな言葉を使うかを親子で考えやすい作品です。
チューくんといっしょ せいかつのおはなし ひらのゆきこ/内田伸子 監修 ポプラ社 おはよう、着替え、トイレ、歯みがき、手洗い、片づけ、おふろ、おやすみまで、生活習慣をまとめて見られる絵本です。あいさつを毎日の流れの中で覚えたい家庭に向いています。

3歳は気持ちのやりとりがわかる絵本

3歳ごろになると、あいさつの言葉だけでなく、その後ろにある気持ちも少しずつわかるようになってきます。
「ありがとう」は、何かをしてもらってうれしいとき。
「ごめんなさい」は、相手にいやな思いをさせたかもしれないとき。
「こんにちは」は、人と会えたことを喜ぶ言葉。

こうした気持ちの整理ができる絵本は、3歳の子どもにとって大きな助けになります。
登場人物の表情が豊かな作品や、やさしい女性の語り口で読める作品も使いやすいでしょう。
読み終わったあとに「この子はどんな気持ちだったかな」と聞いてみると、親子の会話も広がります。
答えが正しいかどうかを評価するより、子どもの感想を聞くことが大切ですね。

タイトル 作者名 出版社 内容の要約
ペネロペあいさつできるかな アン・グットマン/ゲオルグ・ハレンスレーベン 岩崎書店 ペネロペが朝のあいさつ、お礼、帰るときのあいさつなどを練習する絵本です。どの場面でどんな言葉を使うのかがわかりやすく、3歳ごろの親子の会話につなげやすい一冊です。
ありがとう いもとようこ 岩崎書店 おやつをもらったにゃんたの気持ちを通して、「ありがとう」とは何を伝える言葉なのかを考えられる絵本です。うれしい気持ちや感謝の気持ちを、やさしい物語で受け止められます。
ごめんやさい わたなべあや ひかりのくに 野菜たちのやりとりを通して、「ごめんなさい」と伝える勇気や、仲直りする気持ちを楽しく描いた絵本です。言葉だけを覚えるのではなく、失敗したあとの気持ちを整理しやすくなります。
ごめんねともだち 内田麟太郎/降矢なな 偕成社 けんかをしたオオカミとキツネが、仲直りしたいのに「ごめんね」と言えずに悩む物語です。謝りたい気持ち、意地を張ってしまう気持ち、仲直りしたい気持ちが伝わりやすい絵本です。
ありがとうともだち 内田麟太郎/降矢なな 偕成社 オオカミとキツネのやりとりを通して、友だちに向ける「ありがとう」の気持ちが描かれます。何かをしてもらったから言うだけでなく、相手のやさしさに気づくきっかけになる一冊です。

4歳以上は世界のあいさつやマナーも楽しめる

4歳以上になると、日本のあいさつだけでなく、世界のあいさつや文化の違いにも少しずつ興味が広がります。
国によって手を振る、ほほえむ、握手をする、おじぎをするなど、挨拶の形が違うことを知るのは、子どもにとって楽しい発見です。
世界をテーマにした知育絵本や、いもとようこさんのように親しみやすいイラストで知られる著者の作品など、選び方の幅も広がります。

タイトル 作者名 出版社 内容の要約
世界のあいさつ 長新太/野村雅一 監修 福音館書店 世界のさまざまな地域のあいさつを、長新太さんのユーモラスな絵で紹介する絵本です。手を振る、おじぎをするだけでなく、国や文化によってあいさつの形が違うことを楽しく知ることができます。
せかいの「おはよう」 こがようこ/下田昌克/岡本啓史 監修 童心社 アメリカ、ベトナム、フィンランド、ネパールなど、世界の子どもたちの朝の様子を見ながら、いろいろな言語の「おはよう」にふれられる絵本です。朝のあいさつを、世界の暮らしと一緒に楽しめます。
せかいの「ありがとう」 こがようこ/下田昌克/岡本啓史 監修 童心社 ドイツ、中国、フィリピン、ハンガリーなど、世界の子どもたちの日常やお祭りの場面を通して、いろいろな国の「ありがとう」を学べる絵本です。感謝の言葉が国をこえて大切にされていることが伝わります。
せかいの「あそぼう」 こがようこ/下田昌克/岡本啓史 監修 童心社 モンゴル、イタリア、チリ、韓国、エジプト、フィジーの子どもたちの遊びを紹介する絵本です。「あそぼう」という声かけを通して、友だちとの関わりや世界の子どもたちの暮らしに興味を広げられます。
あいさつってたのしい 石津ちひろ/松田奈那子 小学館 「おはよう」「いただきます」「ありがとう」などのあいさつを、楽しい言葉遊びのように味わえる絵本です。世界の文化に進む前に、まず日本の毎日のあいさつを気持ちよく楽しみたい4歳以上の子にも向いています。

あいさつが覚えやすい絵本おすすめ

あいさつ絵本を選ぶときは、覚えさせたい言葉ごとに見ると選びやすくなります。
朝の「おはよう」、人に会ったときの「こんにちは」、気持ちを伝える「ありがとう」や「ごめんなさい」。
食事の「いただきます」「ごちそうさま」、別れの「ばいばい」「さようなら」も、幼児期にふれやすいあいさつです。

絵本のタイトルやシリーズだけでなく、子どもがその言葉をどんな場面で使うかまで見ると、日常につなげやすくなります。

おはようが出てくる絵本

「おはよう」が出てくる絵本は、朝の生活習慣を整えたいときにぴったりです。
朝は眠くて機嫌が悪い子どももいますし、ママも家事や支度でばたばたしやすい時間ですよね。
そんなとき、絵本の中で動物や子どもたちが元気に「おはよう」と言う場面があると、朝の空気が少しやわらかくなります。

読み聞かせは夜だけでなく、朝の1日が始まる前に短く読むのもおすすめです。
ページ数の少ない作品なら、登園前や朝食前にも取り入れやすいでしょう。
「起きなさい」よりも「おはよう」と声をかけるほうが、子どもの気持ちも受け止めやすくなります。

こんにちはが出てくる絵本

「こんにちは」が出てくる絵本は、人に会う場面を楽しく知るきっかけになります。
公園で友達に会う、保育園や幼稚園で先生に会う、近所の人に声をかけられる。
子どもにとっては、どれも少し緊張する場面かもしれません。

絵本の中で登場人物が「こんにちは」とあいさつしていると、子どもは人と会う流れをイメージしやすくなります。
動物たちが順番に出てくる作品や、くり返しのあるえほんなら、親子で声に出しやすいですね。
言えたかどうかだけを評価せず、まずは相手に気づく、顔を見る、にこっとするところからで十分です。
こんにちはは、人と人の間に小さな橋をかける言葉です。

ありがとうが出てくる絵本

「ありがとう」が出てくる絵本は、感謝の気持ちを育てたいときに向いています。
ただし、ありがとうは大人が思うほど簡単な言葉ではありません。
何かをしてもらったことに気づき、うれしいと感じ、その気持ちを相手に伝える必要があるからです。

絵本なら、おもちゃを貸してもらう、助けてもらう、ごはんを作ってもらうなど、子どもに身近な場面でありがとうを見せられます。
イラストで相手の表情が見えると、言葉の意味も伝わりやすいでしょう。
読んだあとに「この子は何がうれしかったのかな」と話してみると、感想を言う練習にもなります。
親子の会話の中で、ありがとうが自然に増えていくといいですね。

ごめんなさいが出てくる絵本

「ごめんなさい」が出てくる絵本は、失敗したときの気持ちを整理する助けになります。
小さな子どもは、悪いことをしたいわけではなくても、おもちゃを取ってしまったり、ぶつかってしまったりすることがあります。
そのときにすぐ「ごめんなさいは?」と言われると、気持ちが追いつかずに黙ってしまう子もいます。

絵本では、登場人物が失敗し、困り、相手の気持ちに気づき、もう一度関わろうとする流れをゆっくり見せられます。
これは、子どもが安心して学べる大きなポイントです。
ごめんなさいは、子どもを責める言葉ではありません。
相手とまた一緒に過ごすための言葉だと、絵本を通して伝えていけるとよいですね。

いただきます・ごちそうさまが出てくる絵本

「いただきます」「ごちそうさま」が出てくる絵本は、食事の時間とつなげやすいあいさつ絵本です。
食べる前に手を合わせる、食べ終わったらごちそうさまと言う。
この流れは毎日のことなので、絵本でふれておくと生活に取り入れやすくなります。

食べ物のイラストが楽しい作品や、動物がごはんを食べる作品は、幼児にもわかりやすいですね。
食が細い子や、食事中に集中が続きにくい子でも、絵本の場面を思い出すことで気持ちが切り替わることがあります。
「絵本のくまさんもいただきますしていたね」と声をかけると、あいさつがあそびの延長になります。
食事のマナーを厳しく教える前の、やさしい入り口として使えます。

ばいばい・さようならが出てくる絵本

「ばいばい」や「さようなら」が出てくる絵本は、別れの場面が苦手な子にも使いやすいです。
帰る時間、寝る時間、保育園や幼稚園でママと離れる時間。
子どもにとって、別れは少し不安なものでもあります。

絵本の中で登場人物が「ばいばい」と手を振り、また会える雰囲気で終わると、子どもも少し安心しやすくなります。
ばいばいは、終わりの言葉でありながら、また次につながる言葉でもあります。
声に出せないときは、手を振るだけでもだいじょうぶです。
読み聞かせの最後に「絵本さんにもばいばい」と言って閉じると、毎日の習慣として定着しやすくなります。

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あいさつが苦手な子にも絵本は使いやすい

あいさつは大切だとわかっていても、すぐに言える子ばかりではありません。
恥ずかしい、声を出すのがこわい、知らない大人の前だと固まってしまう。
そんな子どももいます。

だからこそ、絵本は使いやすい道具になります。
絵本の中なら、失敗しても安心です。
登場人物と一緒に練習できるので、子どもにとって負担が少なくなります。

猫と絵本を読む女児

恥ずかしくて言えない子もいる

あいさつが言えないと、大人はつい「どうして言えないのかな」と心配になることがあります。
でも、子どもがあいさつをしない理由は、やる気がないからとは限りません。
相手の顔を見るのが恥ずかしい。
声を出すタイミングがわからない。
知らない人に話しかけるのが不安。

そんな気持ちが重なっていることもあります。
とくに幼児期の子どもは、気持ちを言葉で説明するのがまだむずかしい時期です。
だから、あいさつが出ない場面だけを見て評価してしまうと、子どもも大人も苦しくなります。
絵本を使えば、実際の場面から少し離れて、あいさつをやさしく見つめ直せます。

登場人物と一緒なら練習しやすい

絵本のよいところは、子どもが登場人物の後ろにそっと隠れながら練習できるところです。
自分が言うのは恥ずかしくても、うさぎさんと一緒なら「こんにちは」と言えることがあります。
くまさんが「ありがとう」と言ったあとに、親子でまねしてみるのもいいですね。

あいさつの練習は、正面から向き合うほど緊張する場合があります。
でも、絵本を間に置くと、気持ちが少し楽になります。
お子様が好きな動物や、好きなイラストの作品を選ぶと、参加しやすさも変わってきます。

まずは手を振るだけでもいい

あいさつは、声に出すことだけが目標ではありません。
まだ言葉が出にくい子、恥ずかしがり屋の子、初めての場所が苦手な子は、手を振るだけでも十分な一歩です。

「ばいばい」と言えなくても、手をひらひらさせる。
「ありがとう」と言えなくても、にこっとする。
「こんにちは」と言えなくても、少しだけ相手のほうを見る。
それも、子どもなりの挨拶です。

絵本の中で手ぶりやおじぎが出てくる場面があれば、読みながら一緒にやってみるとよいでしょう。
声を出す前に、体で参加する。
その積み重ねが、やがて言葉につながることもあります。
子どもの小さな変化を記録しておくと、成長が見えやすくなりますね。

言えなくても急かさない

あいさつが言えないときに、すぐ「ほら、言って」と急かすと、子どもはますます固まってしまうことがあります。
大人としては、相手に申し訳ない気持ちが発生するので、つい言わせたくなりますよね。
でも、子どもには子どもの準備があります。

その場で言えなくても、家に帰ってから絵本を読みながら「あのとき、こんにちはだったね」と話すだけでも意味があります。
もう一度練習できる場所があることは、子どもにとって安心につながります。

絵本は、できたかできないかを投票する場ではありません。
カスタマー評価の5つ星のように点数をつけるものでもありません。
今日は聞くだけ、明日は手を振るだけ。
そのくらいの気持ちで見守ると、あいさつは少しずつ育っていきます。

あいさつ絵本を読むときのコツ

あいさつ絵本は、ただ読むだけでも楽しいものです。
でも、少しだけ読み方を工夫すると、子どもの生活につながりやすくなります。

大切なのは、正しく言わせることより、親子で一緒に声を出し、手を動かし、日常の中で思い出すことです。
保育園や幼稚園の前に読んでおくと、子どもが実際の場面で安心しやすくなることもあります。

親もいっしょに声に出す

あいさつ絵本を読むときは、親もいっしょに声に出して読むのがおすすめです。
「おはよう」「こんにちは」「ありがとう」「ばいばい」などの短い言葉は、ママやパパの声で聞くと、子どもにとってより身近になります。
子どもは、大人が思っている以上に声の調子をよく聞いています。

明るく元気に言うと、あいさつは楽しいものとして伝わります。
やさしく小さな声で言うと、落ち着いた場面の言葉として伝わります。
読み聞かせでは、上手に読む必要はありません。

登場人物になりきったり、動物の声を少し変えたりすると、親子のあそびにもなります。
子どもが笑ったら、それだけで十分にいい時間です。

読んだあと日常でまねする

絵本で読んだあいさつは、日常の中でまねすると定着しやすくなります。
朝起きたら「絵本と同じ、おはようだね」と声をかける。
出かけるときに「玄関でばいばいしていたね」と思い出す。
食事の前に「いただきますのページみたいだね」とつなげる。

このように、絵本の場面と生活の場面を結ぶと、子どもは言葉の使いどころを理解しやすくなります。
1日何回も練習する必要はありません。
自然なタイミングで一言添えるくらいでだいじょうぶです。
絵本の内容を生活に追加する感覚ですね。
子どもが自分から言えたときは、大きく評価しすぎず、にこっと受け止めるくらいがちょうどいいでしょう。

手ぶりやおじぎも一緒にやってみる

あいさつは、声だけでなく、手ぶりやおじぎと一緒に覚えると楽しくなります。
「ばいばい」のページでは手を振る。
「ありがとう」のページでは小さく頭を下げる。
「こんにちは」のページでは、顔を上げてにこっとする。

こうした体の動きがあると、まだ言葉が出にくい子どもでも参加しやすくなります。
とくに0歳や1歳の赤ちゃんは、声より先に動作で反応することがあります。
大人が先にやって見せると、子どももまねしやすいですね。

うまくできたかどうかより、親子で同じ動きを楽しむことが大切です。
SNSにのせるためのきれいな動画や画像でなくても、家庭の中の小さなやりとりが、子どもにはしっかり残ります。

保育園・幼稚園の前にも読んでおく

保育園や幼稚園に入る前、または登園が少し不安な時期には、あいさつ絵本を読んでおくと安心材料になります。
先生に会ったら「おはようございます」。
友達に会ったら「こんにちは」。
帰るときは「さようなら」や「ばいばい」。

こうした流れを絵本で先に見ておくと、子どもは初めての場面でも少し見通しを持ちやすくなります。
もちろん、入園初日から元気にあいさつできる必要はありません。
泣いてしまう日も、黙ってしまう日もあります。

それでも、家で読んだ絵本の記憶があると、あとから「あの場面だったね」と振り返れます。
登園前に「先生に会ったら、おはようだね」と短く声をかけるだけでも、子どもには十分伝わります。
その場では反応がなくても、心の中では少しずつ準備が進んでいるかもしれません。
あいさつは、すぐに言えるようになるものではありません。
絵本で見た場面を何度も思い出すことで、子どもなりに「こういうときに言うんだな」とわかっていきます。

まとめ|あいさつ絵本は、言葉と気持ちをつなぐ一冊

あいさつ絵本は、子どもに言葉を教えるだけの本ではありません。
おはようの元気。
こんにちはの安心。
ありがとうのうれしさ。
ごめんなさいの勇気。
ばいばいのさみしさと、また会える楽しみ。

父親と挨拶の練習をする男児

そうした気持ちを、親子で一緒に受け取れる一冊です。
0歳や1歳なら、音やくり返しを楽しむだけで十分です。
2歳や3歳なら、生活場面や気持ちのやりとりが見える作品を選ぶと、日常につながりやすくなります。
4歳以上なら、日本だけでなく世界の挨拶やマナーをテーマにした絵本も楽しめるでしょう。

読み聞かせの時間は、長くなくてかまいません。
1日数分でも、親子で同じ絵を見て、同じ言葉を声に出すことには意味があります。
あいさつは、急に上手になるものではありません。

声に出せない日もあります。
手を振るだけの日もあります。
大人の後ろに隠れてしまう日もあります。
それでも、絵本の中で何度もふれていると、子どもの中に少しずつ言葉の種が残っていきます。

あいさつ絵本は、しつけの本というより、言葉と気持ちをつなぐ本です。
焦らず、急かさず、親子のあそびのように楽しんでみてください。
その時間が、子どもにとっての大切な記録になっていくはずです。

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