お伝えしたいこと
・お着替え絵本は、年齢だけでなく、子どもが今つまずいている動作や好きな遊びに合わせて選びます。
・絵本の言葉を短い声かけに使い、服を二つに絞るなど、着替えやすい環境を整えることも大切です。
・すぐにひとりで着替えられなくても焦らず、できた動作を一つずつ親子で喜んでいきましょう。
着替えの時間になると逃げてしまったり、洋服を自分で着たがって泣いてしまったりすると、ママも毎朝困ってしまいますよね。お着替え絵本は、正しい着方を教えるだけの児童書ではありません。
パンツやシャツから手足が出る楽しさ、自分で洋服を選ぶ喜び、うまくできない子どもの気持ちを、遊びや物語を通してやさしく伝えてくれます。
この記事では、0歳・1歳から4歳頃までの子どもにおすすめしたい絵本を、年齢の目安に分けて紹介します。
着替えを嫌がるときの選び方や、読み聞かせを毎日の声かけにつなげる工夫も整理しました。
対象年齢だけにとらわれず、今のお気に入りや発達に合う一冊を探してみてくださいね。
お着替え絵本おすすめ8選を年齢別に紹介
お着替え絵本を選ぶときは、年齢だけでなく、子どもが今どの場面に興味を持っているかを見ることが大切です。
服から顔や手が出てくる様子を楽しむ時期もあれば、パンツやズボンをひとりではきたい時期もあります。
3歳を過ぎると、できない悔しさや自分で洋服を選ぶ喜びにも共感しやすくなるでしょう。
出版社が示す対象年齢は一つの目安です。
少し下の年齢向けの絵本でも、今の子どもの悩みや好きな遊びに合っていれば、長く楽しめるお気に入りになります。
0歳・1歳には『おててがでたよ』(林明子・作/福音館書店)と『おきがえあそび』(きむらゆういち・作/偕成社)
0歳・1歳には、難しい手順よりも、洋服から手や顔が出てくる動きを楽しめる絵本が向いています。
『おててがでたよ』は、服をすっぽりかぶった赤ちゃんが、手、頭、顔、足を少しずつ出していくお話です。
体の名前を声に出しながら読めるため、「おててはどこかな」「あんよが出たね」と、親子のやり取りが自然に広がります。
『おきがえあそび』は、ページの仕掛けを動かしながら、登場する子どもたちの着替えを楽しめる絵本です。
シャツを着るときに同じ動きをまねするなど、1日の生活と絵本を結び付けやすい一冊ですね。
2歳には『パンツの はきかた』(岸田今日子・作、佐野洋子・絵/福音館書店)と『どうすればいいのかな?』(わたなべしげお・文、おおともやすお・絵/福音館書店)
2歳頃は「自分でやる」という気持ちが強くなる一方で、パンツやズボンに足を入れるだけでも時間がかかります。
『パンツの はきかた』では、こぶたがパンツをはく動作に一つずつ取り組みます。
リズムのよい言葉を一緒に口にすると、読み聞かせがそのまま着替え遊びのようになりますね。
『どうすればいいのかな?』は、こぐまの姿を見ながら、洋服をどのように身に着けるかを親子で考えられる絵本です。
正解を急いで教えるのではなく、「これはどこに着るのかな」と問いかけるのがポイント。
翌日の着替えで同じ場面を思い出し、子どもから動き出すこともあるでしょう。
3歳には『はけたよはけたよ』(神沢利子・文、西巻茅子・絵/偕成社)と『こっちとこっち どっち?』(きたやまようこ・作/あすなろ書房)
3歳頃になると、ひとりで着替えたいのに、パンツがうまくはけないという悔しさが出てきます。
『はけたよはけたよ』の主人公も、最初はひとりでパンツをはくことができません。
失敗する姿と、工夫してできるようになる喜びが描かれているため、練習中の子どもが自分を重ねやすい絵本です。
出版社の対象年齢も3歳からとなっています。
『こっちとこっち どっち?』では、うさぴょんが二つの洋服から好きなものを選びます。
「こっちかな、それともこっちかな」と話しながら読むことで、自分で決めたい気持ちを楽しく受け止められますよ。
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4歳頃からは『もう ぬげない』(ヨシタケシンスケ・作/ブロンズ新社)と『おでかけのまえに』(筒井頼子・作、林明子・絵/福音館書店)
4歳頃には、着替えができるかどうかだけでなく、失敗したときの恥ずかしさや、思い通りにならない気持ちにも目が向くようになります。
『もう ぬげない』は、服が頭に引っかかって脱げなくなった子どもが、このままだったらどうしようと想像を広げるお話です。
困った場面を深刻にしすぎず、笑いながら読めるのが魅力ですね。
『おでかけのまえに』は、出版社では2歳からが目安ですが、4歳頃になると、お出かけを楽しみにする子どもの気持ちや、準備に追われる家族の様子まで味わえます。
着替えや支度は予定通りに進まないこともあります。
そんな毎日の小さな出来事を、親子でやさしく笑える絵本です。
子どものつまずきに合うお着替え絵本の選び方
同じ年齢の子どもでも、着替えで困っている場面はそれぞれ違います。
洋服に触れること自体を嫌がる子もいれば、自分でやりたいのにシャツへ頭を通せず、途中で怒ってしまう子もいますよね。
そのため、お着替え絵本は対象年齢だけで決めるより、今どこでつまずいているのかを整理して選ぶことが大切です。
笑える絵本、仕掛けを楽しめる絵本、着替えの流れが分かる絵本など、子どもの気持ちに合う一冊なら、毎日の声かけも少しやわらかくなるでしょう。

着替えそのものを嫌がる子には笑いや仕掛けで遊べる絵本
着替えの時間になると逃げたり、洋服を見るだけで嫌がったりする子には、手順を教える生活習慣絵本よりも、笑いや仕掛けを楽しめる絵本から入るのがおすすめです。
最初から「ひとりで着られるようにしよう」と考えると、親子ともに力が入ってしまいますよね。
ページをめくる、服から顔を出すまねをする、登場人物の失敗を一緒に笑うなど、まずは着替えを遊びの一部にしてみましょう。
『おきがえあそび』や『もう ぬげない』のように、動きや笑いがある絵本なら、着替えに対する緊張が少しやわらぐかもしれません。
読んだ当日に変化がなくても、翌日に絵本の場面を思い出すこともあります。
脱ぐ・頭を通す・腕や足を入れるなど苦手な動作から選ぶ
「着替えが苦手」といっても、実際につまずく動作は一つとは限りません。
シャツから頭を出すのが怖い、袖に腕を入れられない、パンツやズボンの片方に両足を入れてしまうなど、子どもによって困る場所が違います。
まずは着替えの様子を見て、脱ぐ、頭を通す、腕を出す、足を入れる、服を引き上げるという流れに分けてみましょう。
『おててがでたよ』は、服から体の一部が少しずつ出てくるため、頭や腕を通す動きを楽しく確認できます。
『パンツの はきかた』は、パンツをはく動作を順番に見たい子に向いています。
洋服のサイズが小さすぎたり、布が伸びにくかったりすると難しさが増すため、絵本だけでなく服の選び方も見直すと安心ですね。
自分で服を選びたい子には選択を楽しめる絵本
2歳や3歳頃になると、ママが用意した服を嫌がり、「自分で選びたい」という気持ちが強くなることがあります。
これは着替えを拒んでいるというより、自分で決めたい思いの表れということもありますね。
『こっちとこっち どっち?』のように、二つの中から選ぶ楽しさが描かれた絵本は、そんな時期の子どもにぴったりです。
実際の着替えでも、何枚もの服を並べるのではなく、天気や予定に合う洋服を二つだけ用意して選んでもらいましょう。
選択肢が多すぎると、かえって決められず時間がかかることがあります。
好きな色、動物、乗り物など、お気に入りのポイントを一緒に見つけることも、着替えへ気持ちを向ける工夫になります。
朝の支度が進まない子や入園前の子には短く身支度の流れが見える絵本
朝の支度が進まない子には、長い物語よりも、着替えからお出かけまでの流れが短く分かる絵本が使いやすいでしょう。
入園前は、ひとりで全部できることより、「次は何をするのか」を知っていることが安心につながります。
起きる、顔を洗う、洋服を着る、朝ご飯を食べる、持ち物を確認するという順番を、絵本の場面と重ねてみてください。
『おでかけのまえに』のように、家族がお出かけの準備をする物語なら、子どもも自分の生活と結び付けやすくなります。
忙しい朝に一冊すべて読む必要はありません。
前日の夜に読んでおき、朝は「次はシャツだね」と短い声かけに使うだけでも十分です。
入園までに完ぺきに着替えられることを目標にせず、できる動作を一つずつ増やしていきましょう。
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お着替えが楽しくなる読み聞かせ方と環境づくり
お着替え絵本は、読んだだけで子どもを動かすための道具ではありません。
親子で笑ったり、登場人物の動きをまねしたりしながら、着替えへの親しみを少しずつ育てるものです。
絵本の言葉を短い声かけに使い、子どもが自分で動きやすい環境を整えると、毎日の支度につながりやすくなります。
できることを一度に増やそうとせず、今日はシャツ、明日はズボンというように、一つずつ試してみてくださいね。
着替えにかかる時間だけでなく、子どもがやってみようとした気持ちにも目を向けることが大切です。
着替えの直前ではなく親子が落ち着ける時間に読む
朝の着替えが始まる直前は、ママも子どもも時間を気にして落ち着きにくいものです。
急いでいる場面で絵本を読み、「さあ同じように着てみよう」と促すと、子どもには新しい課題のように感じてしまいます。
読み聞かせは、寝る前やお風呂のあと、休日の午後など、親子に余裕がある時間に楽しむのがおすすめです。
物語を何度か読んでおけば、翌日の着替えで表紙を見せたり、登場人物の名前を口にしたりするだけでも、内容を思い出しやすくなります。
1日に何度も読む必要はありません。
子どもが「もう一回」と求めたときに応じるくらいの、ゆったりした取り入れ方で十分でしょう。
絵本の言葉を毎日の着替えの合図として一つだけ使う
絵本を生活に取り入れるときは、物語の言葉をすべて覚えさせる必要はありません。
「おててが出るかな」「パンツをよいしょ」など、子どもが気に入った一言を、毎日の着替えの合図にしてみましょう。
声かけが長くなると、何をすればよいのか分かりにくくなることがあります。
まずは「右足を入れよう」「次はシャツだね」と、一つの動作だけをやさしく伝えるのがポイントです。
子どもが絵本のせりふを自分から言ったときは、「覚えていたんだね」と喜んであげたいですね。
同じ言葉を親子で共有すると、注意や指示になりがちな着替えの時間が、少し楽しい遊びのように変わっていきます。
服は二つに絞り子どもの手が届く場所に用意する
自分で洋服を選びたい子には、着てもよい服を二つだけ用意し、「どちらにする」と聞いてみましょう。
何枚も並べると、選ぶことに迷って支度が止まってしまう場合があります。
気温やその日の予定に合うシャツやズボンを大人が先に選び、その中から子どもに決めてもらうと安心です。
服は、子どもの手が届く低いかごや引き出しにまとめておくと、自分で取り出しやすくなります。
ただし、すべての洋服を自由に選ばせる必要はありません。
季節外れの服やサイズが合わない服は別の場所に整理しておくと、朝の迷いを減らせます。
お気に入りの一着を選べたことも、立派な着替えの一部ですね。
椅子・鏡・着やすい服を整え、自分でできた一つを喜ぶ
パンツやズボンを立ったままはくのが難しい子には、低く安定した椅子を用意すると体がぐらつきにくくなります。
首や袖の部分がきつくない服、前後が分かりやすい柄の服など、子どもが扱いやすい洋服を選ぶことも大切な工夫です。
着替えた姿を鏡で見られるようにすると、「自分で着られた」という実感も持ちやすくなるでしょう。
全部ひとりでできなかったとしても、腕を一本通せた、ズボンを少し上げられたという一つの行動を喜んであげてください。
「ここは自分でできたね」と具体的に伝えると、子どもも成功した部分に気付きます。
最短でできるように急ぐより、小さな達成感を重ねることが、次もやってみたい気持ちにつながります。
お着替え絵本を選ぶときの疑問と困った日の考え方
お着替え絵本を読んでも、すぐにひとりで着替えられるとは限りません。
対象年齢に合っているはずなのに興味を示さなかったり、昨日できたことを翌日は嫌がったりすることもありますよね。
絵本は着替えを教え込むための教材ではなく、洋服や身支度に親しむ入り口です。
仕掛け、物語、好きな登場人物など、子どもの心が動くポイントを大切にしましょう。
うまくいかない日は大人が手伝い、できそうな日は一つだけ任せるくらいで十分です。
親子に合うペースを見つけることが、朝の時間をやさしくする近道になります。

仕掛け絵本・物語絵本・生活習慣絵本の違いを比較する
仕掛け絵本は、ページを動かしたり、絵の変化を見たりしながら遊べるため、まだ物語を長く聞くのが難しい子どもに向いています。
物語絵本は、着替えに失敗する気持ちや、ひとりでできた喜びを登場人物と一緒に味わえるのが魅力です。
生活習慣絵本は、パンツやシャツを着る順番、出かけるまでの流れなどを整理して見たいときに役立つでしょう。
『ペネロペ ひとりでふくをきる』のように、お気に入りの登場人物が着替える本から入る方法もありますよ。
お着替え絵本は何歳から読める?年齢より興味や発達を大切にする
お着替え絵本は、0歳から楽しめる仕掛け絵本もあれば、3歳や4歳頃から物語を味わいやすくなる児童書もあります。
ただし、対象年齢はあくまで目安です。
2歳未満でもページをめくる遊びが好きな子がいれば、4歳でも短い繰り返しの絵本をお気に入りにする子もいます。
年齢のラインを厳密に引くより、今は手足の名前に興味があるのか、服を選びたいのか、失敗する場面を笑えるのかを見て選びましょう。
図書館なら利用登録をして無料で借りられるため、購入前に子どもの反応を確かめる方法もあります。
「このえほん、もう一回」と1日以内に繰り返し求めるようなら、その子に合っている可能性があります。気に入った作品は自宅用として追加し、何度も読めるようにしてもよいですね。
絵本を読んでも着替えないときは一つの動作だけ任せてみる
絵本を楽しんでいても、実際の着替えになると動かないことは珍しくありません。
物語を理解することと、シャツへ頭を通したり、ズボンへ片足ずつ入れたりすることは、子どもにとって別の難しさがあるからです。
全部をひとりでさせようとせず、「今日は右腕だけ入れてみよう」「パンツを膝まで上げてみよう」と、一つの動作だけ任せてみてください。
残りはママやパパが手伝って大丈夫です。
洋服のサイズが小さい、首回りがきつい、前後が分かりにくいなど、服そのものが着にくい場合もあります。
絵本を追加で注文する前に、今の服が子どもの体や動きに合っているかを確かめることも大切な工夫になります。
入園までに一人で着替えられなくても焦らなくてよい
入園を控えると、「それまでに全部ひとりでできるようにしなければ」と不安になるかもしれません。
けれども、着替えの経験や得意な動作は、子どもによって違います。
園で必要とされることも同じではないため、気になる場合は入園予定の園へ確認すると安心です。
まずは洋服を自分で持ってくる、シャツに腕を通す、脱いだ服をかごへ入れるなど、今できそうなことを一つ選びましょう。
時間がない朝や疲れている日は、大人が着替えさせてもかまいません。
昨日できたことを今日は嫌がる日もありますよね。
予定どおりに進まない日があっても、着替えへの興味まで失われたわけではありません。
できた部分を見つける声かけを重ねながら、親子のペースで続けていきましょう。
まとめ|お着替え絵本で親子の朝を少しやさしく
お着替え絵本には、洋服の着方を見せるだけでなく、失敗を笑いに変えたり、自分で選ぶ楽しさを伝えたりする力があります。

0歳・1歳には手足が出てくる動きを楽しめる絵本、2歳にはまねしやすい言葉の絵本、3歳には「自分でできた」という喜びを描く絵本が選びやすいでしょう。
4歳頃からは、うまくいかない気持ちや家族の支度まで味わえる物語も楽しめます。
ただし、対象年齢どおりに選ぶことや、読んだ翌日からひとりで着替えられることが目標ではありません。
子どもが好きな場面を見つけ、絵本の言葉を一つだけ声かけに使い、できた動作を一緒に喜ぶことが大切です。
忙しい朝は大人が手伝っても大丈夫。
親子に合う一冊を通して、着替えの時間が少しでもやわらかなものになればうれしいですね。

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